
1 ティー・フォー・トゥー
2 ウッディン・ユー
3 セリア
4 ダンス・オブ・ディ・インフィデルス
5 エブリシング・ハプンス・トゥー・ミー
6 サムバディ・ラブズ・ミー
7 ウン・ポコ・ロコ
8 パリジャン・ソローフェア
9 アイル・キープ・ラヴィング・ユー|ストリクトリィ・コンフィデンシャル
10 ウェブ・シティ
11 タイム・ワズ
HMV レビュー
ファーストアルバム『Rifftide』に続いて録音された金子亜里紗のセカンドアルバム。今作は金子のジャズの原点ともいえるバド・パウエルに捧げられた作品集。ビバップの新鮮な先進を現代に甦らせた金子ならではの演奏が展開される。
金子亜里紗は1968年12月8日、高松生まれ。国立音大在学中に坂本輝氏に師事。1988年よりプロ活動を展開。自己のトリオをはじめ、竹田直哉(vib)との双頭ユニット“Crazy About Be-bopop”や、本作にも参加している小川高生カルテットで活躍している。
小川高生は独特のかすれ節を武器にビバップな演奏を展開するアルトサックス奏者。吉田豊(b)は1975年山口県防府生まれ。筑波大卒業後、金澤英明氏にジャズベースを師事。一度は教職に付くもジャズ界に復帰、海野雅威、山本剛、といったピアノ・ファン好みのトリオ、さらに西尾健一、石崎忍といったいま注目のバンドで活躍する注目のベーシスト。矢崎正義(ds)は1980年埼玉県生まれとグループ最年少。大学時代にジャズに出会いジャズを志す、今後が楽しみなドラマー。
ここに収録された作品は熱心なジャズファンなら耳に聞き覚えのあるバド・パウエルの名演名曲ばかりだ。こうした作品にはバドの演奏の影が付きまとうが、金子のピアノはすでにそうした音を血肉とした金子のビバップが息づいている。
金子亜里紗(p)小川高生(as)吉田豊(b)矢島正義(ds);200x年x月xx日 「xxスタジオ」にて録音。
バド・パウエルを敬愛してやまないピアニスト金子亜里紗さんの
セカンドアルバムなんですが、
HMVでもすごい点数ついてますね〜(笑)。
でも、その通りなんですよ‥この作品。
バドをいかに敬愛しているかはここを見ればわかると思います。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~arichan/
完全にバドを自分のものにしていますし、
まさにバドが乗り移った演奏ってこのことだと思います。
というか、僕はバドの音って言いたくないんです。
ピアニスト金子亜里紗さんの音だって言いたいんです。
それくらい素晴らしいんです。
出だしのティー・フォー・トゥーから完全にノックアウトだし、
アイル・キープ・ラヴィング・ユーなんて鳥肌がたちます。
是非‥ぜひとも聴いてみてください。
ぜったい感動します。こんなピアニストがいるなんて
考えられなかったことでしょう(笑)
「Our respects to BUD」 ライナー・ノーツより
金子は今年一月「リフタイド」でCDデビューしたが、
そのビ・バップ色の強いピアノ・タッチは、
ジャズ通に大いに注目されることになった。
実際ピアノ天国の観がある日本で、毎月多くの
ジャズ・ピアニストのCDが登場するが、
金子ほどフレーズの強弱を意識したタッチ、
個性的な歌い方は珍しい。そしてこの作品、
バド・パウエル・トリビュートだが、日本では人気抜群の
「クレオパトラの夢」が入っていないのが興味深い。
売るために演奏するよりは、自分たちにとっての
パウエルを追求しようという姿勢だとすれば頼もしい限り。
リスナーの私たちも、プレイヤーたる金子の追求する
パウエルの魅力とは何か、を意識しながら聴くと、思わぬ楽しみを
発見できるに違いない。 (中山智広)
Swing Journal 2006年1月号 ディスク・レビュー
誤解を恐れずに言うと、自己表現であるにもかかわらず
そこに厳守すべき「型」があるという点において、
ビバップは日本の伝統芸能・芸術〜茶道とか日舞のような
〜に共通するものがあると思う。
そして、その型の中で新しい刺激を生み出すことが
いかにむずかしい作業であるかということも。
金子亜里紗は、その困難事に真っ向から取り組んでいる
ピアニスト。そんな彼女のチャレンジの現時点での成果が、
バド・パウエルに捧げられたこのアルバムである。
この人のピアノを聴いて、まず耳を惹かれるのは、
一つ一つのフレーズ、ノートがきわめてていねいに
鳴らされているということだ。そして、そういう印象を
生み出すのはおそらく、彼女の、独特と言ってもいい「ノリ」。
自身のホームページで金子は、
「ビートのオンに対して若干遅れ気味の位置に
音を置いていくことが、一流と呼ばれるビバップ・ピアニストの
スイング感を生み出している」といった主旨のことを書いている。
そのことは当然彼女自身の演奏にも反映されているわけで、
特にミディアムからスロー・テンポのナンバー
(たとえば3や5あるいは6)では、日本人としては
異例とも言える重さ、粘り、そしてそこから導き出される「歌」を
表現することに成功していると思う。ここに推進力が加われば、
この人の音楽はさらに凄味を増すのではないか。
ゲストの小川高生はあいかわらずいい味だ。(藤本史昭)