Crazy About Bebop !: Vol.1 竹田直哉1 So nice
2 All the things you are
3 Quasimodo
4 It's talk of the town
5 Hot house
6 Blues in the closet
7 Moose the Mooche
HMV レビュー
安保徹(ts)金子亜理紗(p)池尻洋史(b)矢嶋正義(ds)を率いるバイブ奏者・竹田直哉の真性ビバップ・アルバムが登場。徹頭徹尾・完全ビバップ、ご機嫌なアルバムに仕上がった!ライヴの熱気を漂わせたレビューラーグループ「crazy about bebop」。
名前は体を表わすと言うが、本作こそそれを地で行ったアルバム。のっけからビバップな雰囲気を盛り上げるドラムのスタート。安保徹とのユニゾンで奏でるテーマと舞台は揃った。
しかも選曲が“So Nice”。Elmo Hopeが参加した名盤『Exploring the Future』、さらにホープが参加したCurtis Counce のマニアックな作品『Sonority』、また、ホープ・コレクターを泣かせる『The Jazz Messengers and Elmo Hope』(Pacific Jazz LP 12": PJ-33)に収録され、『Elmo Hope Trio and Quintet』でCD化され、ホープ自身がが3回演奏していたビバップ・ファン垂涎の作品。この曲で一気に気分は50年代後半へ。
続くのはハマースタイン=カーン作の不滅の名曲“All The Things You Are ”。ここではテーマに続いて竹田のジェントルなソロが展開、原メロディを大切にした歌い上げは、この曲の持つロマンティックな叙情を盛り上げてくれる。
「ビバップの時代」が持つソロ展開の単純明快さが清々しい思いを感じさせてくれる。
続く安保のソロも竹田が残した叙情を引き継ぐように“日本のワーデル・グレイ”振りを発揮し、胸を締め付け、口ずさめるようなフレーズが流れ出す。
同レーバルから自己のリーダー作を発表して、乗っている金子亜里紗もメロディを大切にしたソロを展開。
ビバップ・フレーズの極致とも言えるパーカー作品“Quasimado”が続き、一気に時代は40年代にワープ。ユニゾンのテーマ展開から竹田がファースト・ソロをとる。倍テンポのフレーズをところどころに挟んだ竹田らしい演奏だ。
ミディアム・テンポのこの曲では、レスターを感じさせる安保のソロが続き、ビバップの魅力を一層大きくしてくれる。ベテラン・ビバップ・ファンはこの曲の演奏でニンマリするに違いない。
次は数々の名演が思い浮かぶバラードの名曲“Talk Of The Town”。ここでは金子のソロが先行。ソロが終わったあとのメンバーから漏れる声に金子の出来の良さが証明された。
コラボレイションという言葉を証明するように安保、竹田と短いが印象的なソロが続く。ジャズのミュージシャン冥利に尽きる至福の“ジャズの時間”が流れる。
“動くパーカー”でお馴染みのタッド・ダメロンの名曲“Hot House”。単純なメロディの中にビバップの魅力が詰まった作品。
この単純さの中からどれだけ自分らしさを表現できるか、安保のソロの後ろから手拍子が聴こえる。このアルバムでの白眉といえるソロが急速調で展開する。
続く竹田も抑えがたい感情を吐露する気合の入ったソロで安保に「挑戦」!二人の火花散るソロ対決が見もの(聴きもの!)。
ペティフォードばりの重い音で始まるブルースの名曲“Blues In The Closet”。いかにもベーシスト、ペティフォ−ドが作ったという曲らしいフレーズ。
ここでは当然のように池尻洋史がベース・ソロで、いままでバッキングに徹していた鬱憤を晴らすようにはじける。
金子、竹田、安保が続き、ドラム〜ベースのフォーバースへ、“とってもジャズ”ですね!ベースの音も正しく深くて重くてアコースティック。
最後は再びビバップの力試しナンバー、“Moose The Mooche”。安保が先行、一気に先頭逃げ込みを図るソロを展開、コーラスごとにイメージを変える変幻自在なソロが魅力。
第二コーナーを回ったところで竹田が大外追走。登りの坂道にもめげず、倍テンポを多様。ベースのリズムが思わず走るのが聴こえてくる。
第三コーナー。金子が追いつく、ビバップなフレーズとパウエル・ライクな左手が唸る。
そして、究極の第四コーナー。馬群一体となったフォーバース。短いフレーズの中に対抗心が爆発、“ジャズな瞬間”が生まれ、聴くものは演奏会場にいるかのように引き込まれだろう。
ビバップの魅力はなんといってもミュ-ジシャンたちの力比べ、ここではいいフレーズをたくさん作ったもの勝ちの世界がある。
ジャズが難しくなっていくに連れてスリリングな魅力が薄れる中、ジャズが本来持って魅力を紡ぎ出したこの7曲。聴くものは再び、もっと、ジャズが好きになるだろう。
竹田直哉(Vib)のプロフィール
1965年12月14日東京生れ。
1990年から本格的にヴィブラホーン奏者としての活動を開始。1996年、 NHK FM「セッション’96」に小林陽一 (ds)クインテットの一員として出演。
1997年、 NHK FMの「セッション’97」で、吉田桂一(pf)との総統ユニットで「プレイズ・エルモ・ホープ&フレディ・レッド」を企画、演奏。
1998年、太田寛二のユニットにレギュラーメンバー参加。
1999年、安保徹(ts)の初リーダーアルバム『I Should Care』にゲスト参加。
2003年、チーム「crazy about be-bop」活動開始。
2005年2月、NHKセッション505に「crazy about be-bop」のリーダーとして出演 。
2005年3月、安保 徹(ts)率いる『Ambo UNIT』にレギュラーメンバーとして参加。
2006年、リーダー作『Crazy About Bebop !: Vol.1 』を発表。
[ 参考資料:竹田直哉公式HP ]
竹田直哉(vib)安保徹(ts)金子亜理紗(p)池尻洋史(b)矢嶋正義(ds)2006年発表。
僕はこの作品で金子亜里紗さんを知りました‥もちろん安保つながりで。
HMVで87点もついてますね〜。しかもこのレビューの長さ。
そんなこといったって大した事ないんじゃないの〜?
なんて思っているあなた!あなたはかわいそうです。
この作品‥すごくすごく衝撃的な作品なんです。
こんなあのビバップのスピード感あふれる作品は他にないのです。
僕が今まで日本のジャズメン達を聴いてきて、
こんなすごい演奏していたやつらはいないです(笑)。
絶対買って聴いてみてください。
竹田直哉(vib)安保徹(ts)金子亜里紗(p)池尻洋史(b)矢嶋正義(ds)
このメンバー全員が見せ場です。
バイブも本当に凄い‥。
安保徹のテナーはこれを待っていたんだといわんばかりに
ご機嫌にスウィングしまくります‥
いや、そんなどころではないかもしれません。
このメンツが金子亜里紗さんのバド譲りの最強バップピアノに乗せて
ガンガン飛ばしまくります。
ホットハウスって曲なんかもうやばいです‥完全に。
こんな奇跡の集合体のようなCDは今後出ないかもしれません。
是非聴いてみてください。聴いた人は感想ください。
まさに今僕が書いたとおりのないようです。
凄いんですよ!本当にすごいんですから(笑)。